就職する前に知っておくべきヴァギナのこと

『ヴァギナ女性器の文化史』読んだ。

(個人的に本屋で買うのが恥ずかしかったので Kindle で購入)
『ヴァギナ女性器の文化史』
めっっっっっっっっっっっちゃ面白い！
食べる人類誌を読んだ時と同じくらい、いや、それ以上に面白くて寝る間も惜しんで読んでしまった。
日常生活では言葉にするのがはばかられるヴァギナに関して、膨大な量の研究、歴史、雑学が詰め込まれている一冊だった。
ヴァギナの歴史、ヴァギナ信仰から、処女膜とは何か、ヴァギナ香水、クリトリスとは何か、etc……
ヴァギナに興味がある思春期の男子だけでなく、老若男女問わず面白く感じる！
エロティックな描写は少ししかないので、中学生女子でも抵抗なく読めるはず。
下ネタ嫌いな女子たちよ、卑猥！卑猥！と拒絶するのではなく、真面目に研究されている人の気持ちも考えてみましょう！

ヴァギナの力に関する信仰

「女陰を見せれば海が鎮まる」。
カタルーニャのこの信仰は、漁師の妻が夫を海へ送りだすときに、縁起をかついで海に向かって性器を見せるという習慣のもとになっている。

インド南部のマドラス地方の女性たちは、性器を見せて危険な嵐を鎮めた。

多くの民族にとって、女性生殖器は強力な魔除けの力を秘めたものでも会った。つまり、女性がヴァギナを見せれば、悪いことが起きるのを防ぐことができると思われていたのである。悪魔を追い払い、悪霊をしりぞけ、鬼を脅し、敵を恐れさせ、神々を威嚇する

マルケサス人は、女性は物や人を生殖器の名前で呼ぶことで、呪いをかけることができると考えている。

ヴァギナ雑学

ヴァギナを表す言葉として「プッス」がイギリスに初めて登場したのは1662年だった。その言葉が現在の「プッシー」になった。

イタリアでは、雌猫を指す言葉、シャットとガッタがどちらもヴァギナを意味している。

最近まで、対面位でセックスするのは人間だけだと考えられていた。しかし、現在では、ボノボ、ゴリラ、フクロテナガザル、オランウータンなど、さらにはイルカ、くじら、ネズミイルカなどの水棲哺乳類といった様々な種がこの体位で性行為をすることが知られている。

閉経前の健康な女性では、ヴァギナのpHは低く、4.0近辺に保たれていなければならない。つまり、酸っぱいのはいいが、レモンほど ( pH2.0 ) 酸っぱくてはダメということだ。上質のワイン程度の酸味と言ったほうがいいかもしれない。

中世ヨーロッパの高級娼婦は、客を引きつけるために自分の(膣)分泌物を耳の後ろや首筋などに塗って香水の代わりにしたという。

社会問題

今日の世界で、一億から一億3200万人の少女と女性が慣習として性器切除 (FGM)*1 をほどこされ、さらに毎年200万人の少女が危険にさらされている。

恥ずかしいこと

マウンテン・アラペシュの男性にとって最も恥ずかしい出来事は、女性の陰部を口に押し付けられることだ。

ロマの男にとって最も大きな恥は、女のスカートを頭にかぶせられることだ

ヴァギナへの恐怖

ブラジルのメヒナク族の神話にも、男性の支配が及ばないヴァギナへの恐怖が感じられる。「さまようヴァギナ」という物語で、ヴァギナが食べ物を探しに行く。

処女

そこで新しい商売が誕生した。処女膜再生業である。何世紀ものあいだに様々な方法が試みられた。16世紀には花婿を騙すのに魚の胆嚢が利用された。ヴァギナを乾燥させて窮屈にするために薬草を使う方法もあった。中世の女性用薬品一覧『トロトゥーラ (Trotula) 』には、ヴァギナを処女の状態に回復させるための「収縮性のある」調合が5つ載せられている。例えば、卵の白身と水とメグサハッカ (目草薄荷) を混ぜたものや、セイヨウヒイラギガシの新しい樹皮など。第6番目に推奨されている「処女薬」はヒルを使うものなのでギョッとする。