これ以上何を失えば『世界短編傑作集 3』は許されるの
『世界短編傑作集 3』読んだ。
以下の10編が集録された短編推理小説の傑作集の第三弾
- ウイン「キプロスの蜂」
- ワイルド「堕天使の冒険」
- ジェプスン&ユーステス「茶の葉」
- バークリー「偶然の審判」
- ノックス「密室の行者」
- ロバーツ「イギリス製濾過器」
- アリンガム「ボーダー・ライン事件」
- ダンセイニ「二壜のソース」
- クリスティ「夜鴬荘」
- レドマン「完全犯罪」
あらすじ
ウイン「キプロスの蜂」
ハチに1度刺されて、蜂アレルギー体質になると、2度目に刺されると局所的な腫れから重い全身症状(アナフィラキシーショック)によって死ぬ。ある女性が車の中で、キプロス蜂のアナフィラキシーショックにより死んでいた。これは事故なのか、殺人なのか。
ワイルド「堕天使の冒険」
あるカジノで、印が付けられたイカサマトランプが使われた。そのトランプで勝利した人物を詐欺師だと糾弾する。しかし、そのイカサマトランプの流通経路を探っていくと、巨大な陰謀が隠されていた……
近代奇術の父と言われるマジシャン、ロベール・ウーダンが語った実話に基づいている。
ジェプスン&ユーステス「茶の葉」
サウナで殺人事件、死体には鋭利な刃物で刺された跡。しかし、どこにも凶器が見つからない。
アントニイ・バークリー「偶然の審判」
毒入りチョコレート事件の原型。
ノックス「密室の行者」
十分に食べ物がある密室で餓死した宗教家。自殺なのか、事故なのか、はたまた事件なのか。
ロバーツ「イギリス製濾過器」
鍵がかけられた部屋で毒殺された被害者。犯人は合鍵を持っていた守衛なのか。
アリンガム「ボーダー・ライン事件」
死体が見つかるが、動機のある容疑者はカフェに居たという完全なアリバイがある。
ダンセイニ「二壜のソース」
ベジタリアンが肉用のソースを買う理由とは。
クリスティ「夜鴬荘」
幸せな結婚生活をおくる女性、しかし夫のなにかが頭に引っかかる。ある日、夫が殺人鬼ではないかと疑い始める。
レドマン「完全犯罪」
絶対に推理ミスをしない探偵とその助手。ある日、完全犯罪について議論を始めるが……。
感想
トリックは古典的だが傑作揃い。「密室の行者」以外はトリックが分かった。綾辻行人『黒猫館の殺人』の中に出てきた、「茶の葉」を目的に買ったが、全編楽しめた。世界短編傑作集は、現在1〜5巻まで出てるので、全部読もうと思った。
ワイルド「堕天使の冒険」
→実話を元にした小説だと知るとめちゃ面白い。詐欺師って頭いいなぁ。事実は小説よりも奇なり。
ノックス「密室の行者」
→トリックを実行してるとこ想像するとわろた
ロバーツ「イギリス製濾過器」
→トリック、そりゃ無くねーか
古代ギリシャの遊びが面白そう。
- ナックルボーン:羊の骨をつかったお手玉
- コッタボス遊び:ワインの飲み残しを的に向けて飛ばす遊び
The ancient Greek DRINKING GAME: Expert reveals how to play kottabos
www.dailymail.co.uk
- 作者: アントニー・ウイン,江戸川乱歩
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